愛犬が年を重ねるたびに「あと何年一緒にいれるんだろう…」「寿命を延ばせる方法はあるの?」と不安になる方も多いのではないでしょうか?私も10歳の愛犬を飼っているため、その気持ちはよくわかります。
犬の長生きの秘訣は心身のストレスが大きく関係しており、飼い主さんの日頃のサポートが不可欠です。そこでこの記事では、以下の内容を解説していきます。
・犬の平均寿命について
・犬種別|平均寿命とランキング
・体格別かかりやすい病気
・愛犬の健康を維持する7つのコツ
この記事を読むことで、犬の平均寿命や犬種別のかかりやすい病気、愛犬の健康維持のコツがわかるでしょう。
犬全体の平均寿命

最近では犬の寿命が延びてきており、12歳から15歳程度とされています。その理由として、フードの品質向上や室内飼育の増加、医療の発展により、犬が健康に長生きできるようになったためです。
犬の年齢を人間に換算すると?
犬の年齢 | 小・中型犬 | 大型犬 |
1歳 | 15歳 | 12歳 |
2歳 | 24歳 | 19歳 |
3歳 | 28歳 | 26歳 |
4歳 | 32歳 | 33歳 |
5歳 | 36歳 | 40歳 |
6歳 | 40歳 | 47歳 |
7歳 | 44歳 | 54歳 |
8歳 | 48歳 | 61歳 |
9歳 | 52歳 | 68歳 |
10歳 | 56歳 | 75歳 |
11歳 | 60歳 | 82歳 |
12歳 | 64歳 | 89歳 |
13歳 | 68歳 | 96歳 |
14歳 | 72歳 | 103歳 |
15歳 | 76歳 | 110歳 |
16歳 | 80歳 | 117歳 |
17歳 | 84歳 | 124歳 |
愛犬の年齢を人間の年齢に換算することで、成長段階やケアの必要性を把握するのに役立ちます。しかし、年齢にとらわれすぎず愛犬の健康状態を常に観察し、適切なケアを心がけることも大切です。
犬の体格別の寿命
犬の寿命は体格によって大きく異なり、一般的に小型犬のほうが大型犬よりも長生きする傾向があります。
小型犬の平均寿命:13~15歳
中型犬の平均寿命:10~14歳
大型犬の平均寿命: 9~13歳
体格が寿命に影響を与える要因の一つは、成長速度の違いです。大型犬は短期間で急激に成長するため、細胞に大きな負担がかかり、小型犬と比べて老化が早まりやすくなります。
犬種別|平均寿命とランキング

以下に、平均寿命が高いとされる犬種をランキング形式でまとめました。
犬種 | 平均寿命 | 体格・原産国 | |
1位 | イタリアン・グレーハウンド | 15.1歳 | 小型・イタリア |
2位 | ミニチュア・ダックスフンド | 14.7歳 | 小型・ドイツ |
2位 | トイ・プードル | 14.7歳 | 超小型・フランス |
4位 | 柴犬 | 14.5歳 | 中型・日本 |
5位 | パピヨン | 14.4歳 | 小型・フランス、ベルギー |
6位 | ジャック・ラッセル・テリア | 14.3歳 | 小型・イギリス |
6位 | MIX犬(10kg未満) | 14.3歳 | 小型 |
8位 | ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア | 14.2歳 | 小型・イギリス |
9位 | カニンヘン・ダックスフンド | 14.0歳 | 小型・ドイツ |
10位 | MIX犬(10kg以上20kg未満) | 13.9歳 | 中型 |
ただし、平均寿命はあくまで目安であり、個体差や飼育環境によって寿命は大きく左右されます。
【体格別】かかりやすい病気

犬種によって体格や遺伝的な要素が異なるように、かかりやすい病気もそれぞれ異なります。愛犬がどんな病気にかかりやすいのかを知っておくことは、早期発見や治療に役立ち、健康で長生きできることに繋がります。
・小型犬
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
膝蓋骨脱臼は通称「パテラ」と呼ばれ、膝のお皿(膝蓋骨)が正しい位置からずれる病気です。スキップするような歩き方や後ろ足を上げるなどの症状が出ます。
原因 | 主な要因は「先天性」と「後天性」です。 先天性:生まれつき筋肉や骨の形の異常 後天性:膝に大きな力が加わることで発症 |
予防 | 肥満は膝の負担を大きくするため、適切な体重を保つことが重要です。また、すべりやすい場所にはマットを敷き、肉球周りの毛もカットしてあげると脱臼のリスクを軽減できます。 |
僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)
心臓の弁がきちんと閉じなくなる病気です。血液が逆流して心臓に負担がかかり、咳や息切れなどの症状が現れます。病気が進行すると、「肺水腫」を発症して呼吸困難を起こし、命にかかわる恐れがあります。
原因 | 加齢や遺伝的な要因があげられます。 |
予防 | ・肥満を防ぐ ・塩分の少ない食事を提供する ・適切な運動 ・定期的な健康診断を受ける |
水頭症
脳内に脳脊髄液が溜まり脳が圧迫されることで、機能に障害を起こす病気です。圧迫された部分によって症状が異なり、ふらつきやてんかん、視力低下など多岐にわたります。
原因 | 主な要因は「先天性」と「後天性」があります。 先天性:脳の構造的な異常 後天性:脳の外傷、脳炎、脳腫瘍、髄膜炎など |
予防 | 早期に症状を見つけて適切な治療をすることで、症状の緩和が可能です。 |
気管虚脱(きかんきょだつ)
気管が潰れてしまい、咳が出たり「ガーガー」とガチョウのような呼吸音が聞こえるなどの症状がみられます。また、重度になると呼吸困難やチアノーゼを起こす可能性がある病気です。
原因 | 遺伝的要因や、リードを強く引っ張ることによる圧迫などがあげられます。また、肥満や高温多湿な環境、興奮することは気管にかかる負担を増加させる要因です。 |
予防 | 首輪の着用は避け、ハーネスに切り替えることをお勧めします。また、適切な食事管理で肥満を防ぎ、激しい運動は控えるようにしましょう。 |
鼠径(そけい)ヘルニア
後足の付け根から、お腹の中の臓器や脂肪が外に出てしまう病気です。すき間が小さい場合は無症状ですが、進行して腸管が出た場合は排便困難、膀胱が出ている場合は排尿困難などの症状が現れます。
原因 | 主な要因として「先天性」と「後天性」があります。 先天性:生まれつき筋肉や靭帯が弱い。 後天性:事故やケガなどで腹部に強い圧力がかかる。 |
予防 | 早期発見と早期治療が重要です。日常的に犬の体をさわって、足の付け根に腫れがないか観察することで異常に気付きやすくなります。 |
椎間板(ついかんばん)ヘルニア
背骨の間にある椎間板が変性し、脊髄を圧迫することで起こる病気です。首や胸、腰に発症する可能性があり、痛みや麻痺を引き起こします。重度になると、自力で立てなくなり排泄の介助が必要です。
原因 | 「軟骨異栄養性犬種」と呼ばれるミニチュアダックスフンド、ビーグル、ウェルシュコーギー、シーズーなどは外力に弱く、椎間板ヘルニアを起こしやすい傾向があります。 |
予防 | 椎間板ヘルニアの予防で重要なことは、腰に負担をかけないようにすることです。抱く時は仰向けや縦抱きではなく、床と平行になるようにしましょう。 |
・中型犬
外耳炎
耳の入口から鼓膜までの外耳に炎症が起こるのが外耳炎です。耳のかゆみや痛み、頭を振るなどの症状が現れます。外耳炎は治療しないと悪化する病気なので、早期の治療が必要です。
原因 | 犬の耳はL字型で通気性が悪く、外耳炎を起こしやすい構造をしています。特に、たれ耳や耳毛が多い犬種、またアレルギーを持った犬に多く見られることが特徴です。 |
予防 | 定期的な耳のチェックとケアを行い、清潔を保つことが予防に繋がります。しかし、誤った方法で耳掃除をすると、犬の耳に傷をつける可能性もあるため、事前に獣医に相談するとよいでしょう。 |
進行性網膜萎縮症(しんこうせいもうまくいしゅくしょう)
初期には暗いところで目が見えにくくなり、物にぶつかったり、つまづいたりすることがあります。徐々に日中でも視力が低下し、最終的には失明に至る進行性の病気です。
原因 | 遺伝的な要因があげられます。 |
予防 | 遺伝性疾患であるため、この病気がある場合は繁殖させないようにしましょう。 |
尿路結石症
尿中のミネラル成分が結晶化し、腎臓や膀胱、尿道などに結石ができることにより、排尿痛や血尿などの症状が起こる病気です。尿路がふさがる尿路閉塞が起こると、体内の毒素が排出されず尿毒症になることがあります。
原因 | 水分摂取不足やミネラルを多く含む食べ物や水の過剰摂取です。水分が不足すると尿が濃縮され結石ができやすくなります。また、硬水のミネラルウォーターは、ミネラル成分が多く含まれているので与えないようにしましょう。 |
予防 | 結石ができにくい状態を保つためには十分な水分摂取が重要です。ドライフードをふやかしたり、ウエットフードを混ぜたりなど工夫するとよいでしょう。 |
・大型犬
股関節形成不全
股関節の異常なゆるみや形状の変化で正常にかみ合わなくなり、関節炎を引き起こす病気です。散歩中に座り込んだり、足を引きずるなどの症状が見られます。
原因 | 遺伝的要因に加え、関節に過度の負担をかける肥満や激しい運動なども発症する原因の一つです。 |
予防 | 適切な体重を維持し、滑りやすい床にはマットを敷いたりジャンプや過度な運動をさせないなど、股関節の負担を軽減しましょう。 |
拡張型心筋症
心臓の筋肉が薄くなり、血液を送る機能が低下する病気です。進行すると、呼吸困難や失神、肺に水が溜まる肺水腫などを引き起こすことも少なくありません。
原因 | 遺伝的要因が大きいとされ、年齢が高くなると発症リスクが増加する傾向があります。 |
予防 | 定期的な健康診断を受け、早期発見が重要です。目安として6歳までは年に1回、それ以降は半年に1回のペースで受けましょう。ただし、健康状態によって異なるため、獣医師に相談することをお勧めします。 |
胃拡張捻転症候群(いかくちょうねんてんしょうこうぐん)
胃にガスが溜って膨張し、ねじれてしまう病気です。胃がねじれることで血管が圧迫され、重度のショック状態が発生します。症状の進行が早く命の危険があるため、迅速な処置が必要です。
原因 | フードの早食いや大量摂取、食後の運動などで空気を胃に飲み込んでしまうことが要因と考えられています。 |
予防 | 1回の食事量を減らし、回数を2回以上に分けて与えましょう。また、食事の前後の運動を控えると、リスクを抑えられます。 |
前十字靭帯断裂(ぜんじゅうじじんたいだんれつ)
膝関節の安定性を維持する靭帯が切れる病気です。足をかばうような歩き方(跛行)が見られ、そのまま放置すると変形性関節症などを発症する危険性があります。
原因 | 肥満や高い所からのジャンプ、急な方向転換は関節に大きな負担をかけ、発症リスクを高める要因となるので注意が必要です。 |
予防 | 犬の体重を定期的にチェックし、適正体重を維持することが大切です。年齢や体力に応じた運動を心がけ、急激な動作を避けるようにしましょう。 |
ミックス犬と雑種犬の違いと寿命

ミックス犬と雑種犬は、どちらも純血種ではない犬を指しますが、異なる特徴を持っています。ミックス犬は両親の犬種が明確であるため、ある程度の大きさ、性格などを予測できます。一方、雑種犬は遺伝的背景が不明なため、予測が難しいという違いがあります。
ミックス犬とは
ミックス犬は「ハーフ犬」「ハイブリッド犬」とも呼ばれ、異なる純血種の両親から生まれた1代目の犬です。見た目や性格が親犬の特徴を受け継ぐことが多く、犬種によって異なる個性を持っているのが特徴です。
代表的なミックス犬の種類
親の犬種 | 親の犬種 | ミックス犬種 |
マルチーズ | トイ・プードル | マルプー |
チワワ | ダックスフンド | チワックス |
ポメラニアン | 柴犬 | ポメ柴 |
ペキニーズ | ビション・フリーゼ | ぺキビション |
ゴールデンレトリーバー | プードル | ゴールデンドゥードル |
ミックス犬は100種を超える犬種数で、見た目のバリエーションが豊富で人気があります。
雑種犬とは
雑種犬は3つ以上の犬種の血が混ざっていることが多く、一般的に自然交配によって生まれます。また、地域の気候に順応する能力が高く、それぞれの環境に適した体質を持つことが特徴です。
ミックス犬と雑種犬の平均寿命
ミックス犬の平均寿命 | 13歳前後 |
雑種犬の平均寿命 | 10~14歳 |
ミックス犬の平均寿命は13歳前後とされていますが、親犬の種類によっても異なり、純血犬と同様に小型犬の方が長生きする傾向があります。
ただし、純血種同士のミックス犬は、両親の犬種が持つ遺伝性疾患を受け継ぐ可能性もあるので注意が必要です。
雑種犬の平均寿命は10~14歳とされていますが、純血種の体格の平均寿命とほとんど同じで大きな違いはみられません。しかし、さまざまな犬種の遺伝子を持つことで、純血種の犬によく見られる遺伝性疾患の発生率が低い傾向にあります。
愛犬の健康を維持する7つのコツ

愛犬の健康を守るためには、日々の健康管理が欠かせません。食事や運動、心のケアなどが健康寿命を延ばす鍵となります。生活習慣を見直し、愛犬がいつまでも元気に過ごせるようサポートしましょう。
1.適切な食事の管理
犬の健康を維持するためには適切な食事管理が不可欠です。年齢に応じたバランスのとれた食事を提供しましょう。
犬に必要な栄養素は次の5つです。
たんぱく質 | 筋肉、臓器、ホルモン、酵素、免疫機能の向上など体の組織を作る。 |
脂質 | 体温の維持やビタミンの吸収を助け、皮膚や被毛を美しく保つ。 |
炭水化物 | 腸内環境を整え、善玉菌を増やす。 |
ビタミン | 体調を整える。 |
ミネラル | 骨や歯の構成成分で、体の機能を維持する。 |
順に解説します。
● たんぱく質
たんぱく質はアミノ酸から構成されており、体のさまざまな組織を作る栄養素です。アミノ酸には、体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、体内では合成できない「必須アミノ酸」に分類されます。
犬の場合、健康を維持するためには10種類の必須アミノ酸を食事から摂取することが必要です。
● 脂質
脂質は、たんぱく質や炭水化物の2倍以上のカロリーを供給する効率の良いエネルギー源です。犬にとって「必須脂肪酸」であるオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、それぞれ重要な役割を担っています。
役割は以下のとおりです。
オメガ3脂肪酸:脳の健康維持、免疫力向上、成長促進
オメガ6脂肪酸:皮膚の健康維持や細胞の活性化
● 炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維に分類されます。糖質(ブドウ糖、果糖、ショ糖など)のブドウ糖は脳や神経にとって唯一のエネルギー源であるため、必要不可欠な栄養素です。一方、食物繊維は消化吸収されにくいため、腸内環境を整え、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があります。
● ビタミン
ビタミンは体の機能を調節する微量栄養素であり、水溶性ビタミン(B、C)と脂溶性ビタミン(A、D、E、K)に分類されます。
脂溶性ビタミンを過剰に摂取すると体内に蓄積し、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。これに対し、水溶性ビタミンは水分に溶けて尿中へ排出されるため、中毒症状が起きにくいという特徴があります。
● ミネラル
骨の形成や神経、細胞などの体を正常に保つための栄養素です。犬はミネラルを体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
ミネラルが不足すると、疲労感や体調不良などの症状が現れることがあり、過剰摂取は過剰症を引き起こす可能性もあるため、バランスよく与えることが重要です。
特に、カルシウムとリンは深く結びついており、理想的な摂取比率はカルシウム:リン1~2:1とされています。
2.清潔で快適な生活環境の提供
清潔で快適な生活環境として、安全で落ち着ける空間と適切な温度と湿度管理が挙げられます。サークルやベッドは、人の出入りが少ない静かな場所に設置し、犬が安心してくつろげる空間を提供しましょう。
また、清潔な環境を保ち、すべりやすい床にはカーペットを敷くなど、関節に負担をかけない工夫をするのも大切です。
・適切な温度と湿度
犬にとって快適な室温は22~25度、湿度は50%とされています。短毛腫、長毛種、子犬、高齢犬によって適切温度が違うため、様子を見ながら調節するとよいでしょう。
3.適度な運動
犬の健康にかかせないのが適度な運動です。散歩やボール遊び、ドッグランなど、犬が楽しめる運動を取り入れましょう。
しかし、高齢犬や関節に問題を抱える犬は、短時間の散歩など体に負担が少ない範囲で運動させることが大切です。犬種や年齢、体調に合わせた運動量を確保することで、肥満予防だけでなく筋力維持やストレス解消にも繋がります。
4.定期的な健康診断
犬は、体調が悪くても言葉で伝えられません。そのため、気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。定期的な健康診断は、病気の早期発見と早期治療につながり、愛犬の健康寿命を延ばすために非常に重要です。
定期健診の頻度は、6歳までは年に1回、体に不調が出る可能性が高くなる7歳からは半年に1回を目安にするとよいでしょう。
5.ストレスの軽減
犬にとって、遊びや飼い主とのスキンシップは、ストレス軽減に非常に効果的です。触れ合う時間を作り、ボール遊びやおもちゃの引っ張りっこなど、愛犬が喜ぶ遊びを取り入れましょう。
また、日ごろから優しく声をかけたり、愛情を込めて撫でることで愛犬の幸福感はより一層高まります。
6.去勢・避妊手術をする
犬の去勢・避妊手術は望まない妊娠を防ぐだけでなく、性ホルモンに関連した病気の予防が可能です。去勢・避妊手術の適正時期は発情が始まる前の生後6ヶ月頃が適切とされています。
避妊手術で予防できる疾患
● 乳腺腫瘍
乳腺腫瘍とは、乳腺が腫瘍化する病気です。良性と悪性が50%ずつとされ、悪性腫瘍だった場合、半数が転移すると言われています。初回発情までに避妊手術をしていると、発症率は0.5%以下と非常に低くなり、発生リスクを抑えられます。
● 子宮蓄膿症
子宮内蓄膿症とは、細菌感染により子宮内に膿がたまってしまう病気です。子宮内の細菌が出す毒素により血栓や腎不全などを起こし、命にかかわる危険な状態になることもあります。
● 卵巣腫瘍
卵巣腫瘍とは、卵巣にできる腫瘍のことです。病気が進行するまでは無症状が多く、発見されたときは腫瘍の巨大化や転移が見つかる可能性もあります。
去勢手術で予防できる疾患
● 前立腺肥大
前立腺肥大症とは、前立腺が異常に大きくなってしまう病気です。初期の段階では無症状が多いですが、進行すると尿道が狭くなり排尿や排便困難、血尿などの症状が現れます。
● 精巣腫瘍
精巣腫瘍とは精巣にできる腫瘍のことです。良性の方が多いといわれ、皮膚の色素沈着や脱毛、乳房の雌性化などの症状がみられます。
● 肛門周囲腺腫
肛門周囲腺腫とは、肛門周囲腺が腫瘍化したもので、一般的には良性の腫瘍です。進行すると腫瘍が大きくなり、便が出にくくなることがあります。
● 会陰ヘルニア
肛門の周辺(会陰部)の筋肉が弱くなる状態になることで、そのすき間から膀胱や腸、脂肪などが飛び出してしまう病気です。腸管が出た場合は排便困難を起こし、膀胱が出ている場合は排尿困難などの症状が現れます。
犬の去勢・避妊手術は、病気の予防や問題行動の改善など、多くのメリットが期待できます。その一方で、手術によって太りやすくなったり、全身麻酔のリスクも伴うため、獣医師とよく相談して決めることが大切です。
7.歯の健康管理
犬の歯垢は3〜5日程度で歯石に変わり、歯石を放置していると歯周病の原因となります。歯周病は細菌が血液に入り込み、心臓病や腎臓病などを引き起こす可能性があるので注意が必要です。
毎日の歯みがきで口腔内を清潔に保ち、歯周病にならないように心がけましょう。
まとめ

この記事では、犬の平均寿命から犬種別のかかりやすい病気、そして私たちができる健康維持のコツを解説しました。
適切なケアをすることで多くの病気を予防したり、早期発見、早期治療が可能です。日々の食事や適度な運動、定期的な健康診断、そして何よりも愛情を持って接することが、愛犬の健康寿命を延ばすコツとなります。
この記事が愛犬との時間をより長く、より豊かなものにするための助けとなれば幸いです。今日からできることを始めて、愛犬との幸せな時間をこれからもたくさん作っていきましょう。